ライトついてますか

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

やっとで読み終えたがあまり面白くない.こういうスタイルのビジネス書がたまにあるのだが,もう一つ読んだという気がしない.いろいろと考えたくなるポイントもありそうなのだが.行動に移しにくいのですね.

何も責めない,ただ愛があるだけ.

There Is No Blame; There Is Only Love
何も責めない,ただ愛があるだけ.
by Ann Karasinski

http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=7293598

Ann Karasinskiは学校でカウンセラーとして働いていたが,すでに引退している.自分にとって一番大事なことは母親としての役回りだったと彼女は言う.ミシガン州,Belmontに家族とともに住んでいる.娘さんのKatieは,この2年間,薬物中毒から立ち直ろうと努力している一方,16ヶ月の息子をもっている.

「Katieが自分が薬物中毒と認めるのを聞いてから,それをだれかのせいに,何かのせいにしようと私は探し回った.Katieの友達,父親,私が離婚したことのせいにした.でも結局のところ,自分で自分を責めるしかなかった.」

NPR Morning Edition, February 12, 2007

だれも自分の子供がヘロイン中毒になるなんて考えないでしょう.子供が生まれてから,未来への夢と希望はもっても,ヘロイン中毒なんて考えもしない.自分の子供にはそんなことは起きないはずでしょう.だって薬物中毒は育つ環境と子育てが悪いせいだから.必ず何か責める相手があるはずです.

以前はそんなことを私も信じていました.でも,治療がうまくいかず,このヘロイン中毒の我が子と長い間離ればなれになって,息を殺して我が子の快復を見守っているうちに,今では何も責めることはできないと信じています.

Katieが自分が薬物中毒と認めてから,どうして我が子がこんなことになったか理解しようと努力しました.この明るく,きれいで,才能のある,そして一番大事なのは,この私が愛する若者がなぜ? はじめのころのショックが薄れてきて,Katieが中毒になった原因と過程を分析しました.最初はなにかのせいにしようとしました.Katieの友達のせいにし,父親のせいに,そして私が離婚したせいにしました.でも結局はわたしは自分自身のせいでした.絶望の中で,私がKatieの薬物中毒を防ぐべきだったし,もしチャンスがあればわたしはこんな間違いを繰り返さないと思いこみました.

Katieが施設から帰ってきて,私は鬼教官のような情熱で毎日Katieに接しました.回復のための12段階プログラムを実行し,毎日Katieが回復するのを見守もりました.まるでヘロイン中毒を克服するのが風邪を治すのと同じぐらい単純と思っていたようでした.Katieを治療に送って行ったし,全てを監督し,何も見逃しませんでした.でも私がどれだけ努力しても,Katieは良くならなかった.我が家から出て行き,またもや薬物中毒の強い力につかまれてしまったのです.

その後何ヶ月もの間,昔からある信仰や信じられている断片をたくさんかき集め,全体像をつかむために組み立てようとしました.時にはあきらめ,時にはなにも考えずに.そして徐々に,なにか責めるべき相手を見つけようとしていた私の心が,希望を求めるように変わったのです.唯一私と娘をつなげていたもの,娘への愛情,で私は自分を慰めるようになりました.

Katieのことを毎日考え,あの子がいないのが寂しかった.あの子が大丈夫なのか,何処にいるのか心配し泣きました.みてもらえないのはわかっていましたが,なんども手紙を書きました.時には夜中に目が覚めてパニックになり,母親の本能で何か悪いことが起きそうなのだと確信したこともあります.でも結局のところ,私はKatieを愛していました.

なぜ,そしてどのようにして我が子がヘロイン中毒になったのか私にはわかりません.でもそれは重要ではないとわかっています.年月は流れ,Katieはいまでも私の娘なのです.
もう彼女を癒す努力はしません.ただ彼女を愛するだけです.時には苦痛と悲しいこともありますが,なにも責めることはしません.ただ愛があるだけだと信じています.