なぜ太平洋戦争になったのか―西洋のエゴイズムに翻弄された日本の悲

snmocha2006-04-29

なぜ太平洋戦争になったのか―西洋のエゴイズムに翻弄された日本の悲劇
北原 惇 (著)

単行本: 233 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: ティビーエスブリタニカ ; ISBN: 4484012227 ; (2001/12)

内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争の遠因にはポルトガル人による日本人奴隷の売買があった。「種子島」から太平洋戦争にいたる知られざる歴史の深層に心理学的アプローチから鋭く迫る意欲作。

内容(「MARC」データベースより)
日本のかつての軍国主義、殖民主義、侵略主義、そして太平洋戦争を正しく理解するには16世紀以来西洋と対峙してきた日本人の心理を精査しなければならない。教科書論争を超えて、右にも左にも偏ることのない歴史観を提示。

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太平洋戦争の原因を解き明かすために,「種子島」まで遡る.確かに,ペリー来航による開国と明治維新という辺りの流れは,その後の日本政府,特に軍部の構成に大きく影響していると思うので,納得がいくのだが.

軍事力と先進技術(文明)を見せつけられ,不平等な立場に追われた幕末から明治にかけての日本人(政府)の劣等感と,その裏返しとしての西洋諸国への追随があったからこそ,その鏡としての中国/朝鮮への侵略行為があり,三国干渉以降の西欧諸国の日本への差別的な対応への反発へとつながり,対抗意識から芽生えた日本の国家主義が,最後には軍部主導の太平洋戦争へと結びついてしまう.非常にわかりやすい仮説であろう.ただ,このような一連の日本の対応っていうのが,とても子供っぽい感じがするのだが.こんなに単純な見方で良いのだろうかと思う一方で,現代でも同じような,西欧への追随と反発を繰り返しているのがこの国の性かなとも思う.

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