若者はなぜ３年で辞めるのか．

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ３年で辞めるのか．

原因は年功序列制度だそうです．年功序列制度は（以前会社でも人事からあからさまに説明してもらったのですが），若いうちは安い賃金でこき使われますが，この間に会社に対して貯金して，中高年になってからその貯金を会社からもらうというシステムなわけです．ですから中高年になって会社へのリアルタイムの貢献度が下がっても若手の倍の給料をもらってもフシギではなかったわけです．しかし，これ，年金の制度と似ているような気が．社会が右上がりで成長していけば，そして若者がそのような，一種の共同幻想に留まって入れれば何とかなるのでしょうが．現実には若者の離職率が右上がりで上がっていきつつあります．
家庭環境や社会環境のせいもあり，もちろんとりあえずの選択肢が多いこともあり，若者は我慢して会社に留まって，おじさん達の生活を支えようなんて気がおきません．自分がした仕事に対する対価はきちんと頂きたいわけです．それができないような会社ならこちらからやめてやる，といって辞めてしまう訳です．その割合が非常に高いというのはやはり問題でしょう．この国の未来が音を立てて壊れていく瞬間です．これまで日本の産業を支えてきた年功序列制度ですが制度疲労のようなので，若者とこの国の将来を救うためにも，そろそろ辞めた方がよいようです．しかし，それほど急激に能力主義などという眉唾物のシステムに移ってはだめでしょうから，中間的な（妥協はだめなのでしょうが）システムを開発できないとだめなのではないでしょうか．