それは毎回”次こそは”と思うからさ

91edb2c1.jpg映画学校の生徒達の前で教授が毎回有名俳優を舞台でインタビューする番組,今回のゲストは英国人俳優のヒューグラントでした.フォーウェディング(&ヒューネラル),ノッティングヒル,アバウトアボーイなどへの出演があります.
全体的に英国人的というか,変化球の受け答えという感じがしたのです.映画の中の彼が演じる人物のよう.でも結構率直に語っている部分もあって,一番良かったのは以下のところ.

俳優志望の学生:「あるインタビューの中で,演じるのは好きじゃないと答えていましたがそれならなんで演じ続けるのですか?」

ヒュー:「拷問と感じることをなぜ続けるのか?それは毎回”次こそは”と思うからさ.カメラの前で演技すると,自殺したくなるほど滅入るけれど,それで”次はうまくやろう”と」

仕事なんてうまくいかないことが多いけれど,”次はすこしでもいいものを”と思えばこそ拷問にも耐えるのさと,いつもの力のこもらないなんともいえない顔で答えていました.ニヒリズムではないこの脱力感に憧れるのです.