がん

肺癌検査から偽陽性の結果が高率に発生する
コンピューター断層撮影(CT)を使用して肺癌の検査を行うことは、偽陽性を高率に生じさせ、追跡検査や侵襲的検査をまで行うことになることがあると、ASCO年次総会で研究者等が報告した。CTを用いた肺癌検査のリスクと利点はこれまでにも取り上げられていたが、今回の報告は偽陽性の結果が得られるリスクを定量化した初めてのものである。

NIH医学応用研究室の Dr.Jennifer M.Croswell氏等は肺検査研究(LSS)のデータを解析した。これは55才から74才の現在の喫煙者および喫煙経験者3000名以上を対象としてCTおよび胸部エックス線という二つの検査を比較したものである。LSSは、NCI主導の実施中の全米肺検査試験(NLST)の予備的試験であり、CT検査群に有意に多い偽陽性を見いだした。

CT群の参加者は、偽陽性のリスクが1回スキャンで21%、 2回で33%であった。それに対して、X線検査群では1回検査で9%、2回検査で15%であった。LSSは2回の検査のみ含むことから、得られた知見は、CTを用いた通常の肺癌検査に関して保守的な見積もりしかしていないと、Dr.Croswell氏はのべた。

偽陽性の結果が得られた被験者のうち、60%が少なくとも1回の追跡画像検査をうけ、2%未満が手術を経験した。これらの手術からのcomplication rateは低いが、数例の患者はcollapsed lungまたは肺出血のため入院が必要であった。(1%未満)。また、別の1%の被験者は感染症で治療されたと、研究者等は述べた。追加画像検査および侵襲的治療も偽陽性胸部X線検査と関連していた。

検査を含むすべての医学介入は利点を持つ可能性と同じように危険性も持っていると、研究者等は述べた。偽陽性心理的ストレスを産み医療制度に重荷を与える可能性がある。




HPVの状態から食道癌の治療結果が予測可能

喉頭上部域の進行性腫瘍のある患者は、腫瘍がヒトpapillomavirus(HPV)陽性の場合良好な治療結果が得られている。これは、ASCO年次総会で発表された第III相臨床試験の新たな結果による。食道癌患者のHPVの状態と治療結果のあいだの関連性は他の試験でも示唆されており、この新たな結果は、もっとも明確なエビデンスを提出していると、試験責任者であるオハイオ州立大学のDr.Maura Gillison氏は記者会見で述べた。

食道癌は喫煙や飲酒を長期間行ったことに関係する人とHPVに関係する人に現在では分類できると氏は述べ、HPVの状態を決定することは現在では通常の治療行為の一部である可能性があり、これはこれらの患者におけるそのprognostic示唆のためであると続けた。

このような知見は放射線治療腫瘍学グループ実施の0129臨床試験におけるcorrelative研究から得られ、これは第III相臨床試験であり、ステージIIIまたはIVの食道癌患者が放射線治療、化学療法薬シスプラチンの複数のレジメンに無作為に割り付けられた。ほぼ2/3の腫瘍試料がHPV陽性という結果であったとDr.Gillison氏は述べた。治療2年後、HPV陽性患者の88%は現在も存命中であり、それに対して、HPV陰性患者は66%である。生存率の絶対的差は経時的に増加している。



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