The company man

2003/01/18
The company man
 タイトルをみて、普通の生活を送るビジネスマンがちょっとしたきっかけから非日常的な事態に陥っていくパターンかと思っていたが、話は結局スパイ大作戦であった。
 主人公(男)はある調査会社の調査員の面接を受けに行き合格する。その会社の産業スパイとしてあちこち出張しては情報を入手する生活だが、実はその出張は調査員を洗脳するためだけのものだった。そして、女スパイ(Lucy Liu)にいわれた薬を飲んだことで、自分が洗脳を受けていることがわかる。そのせいである別の会社でスパイであることがばれてしまい、そこから2重、3重スパイの網の目の中に入り込んでいくが、黒幕は誰?というストーリー。
 退屈に感じた理由の一つは、映像的に面白くしようという監督の意志はわかるが、全体的に古くささを感じてしまったことだろうか。この監督は"Cube"という映画で話題になったそうでたぶん期待されていたのだろうが。画像が少し色あせたような色調になっていたり、主人公が住む住宅街(すべて同じ形の家)を真上からとってみせたり、主人公の移動を地図でみせたり、なんかすべて別の映画で見たような気がする。主人公が最後の任務で入り込むコンピューター基地なども、これだけ技術が発展しているにもかかわらず、何でこんなでかいコンピューターがいるのか、なんでCDROM(DVDROM?)なの、ガードは3人なの?など、どうも見ていて笑ってしまう。
 そして、最後にしらけてしまうのは、犯人を捜してみたら自分だったという僕が嫌いなパターンだからか。このパターンはさんざん使い古されているんだからやめましょう。
 唯一の救いかと思った、女スパイ(Lucy Liu)ですが、いいアクセントにはなっていました。ただ、彼女は顔に表現がでにくいのです。というか、わかりにくい。MissonImpossible張りのアクションを見せてくれましたが、最後にあの顔がでてくると緊張感がなくなります。
 結局この映画を評価するとすれば、これまでのスパイ映画のパロディーとしてみるしかないのだろう。