日本防衛のあり方―イラクの教訓、北朝鮮の核

snmocha2006-03-18

日本防衛のあり方―イラクの教訓、北朝鮮の核
江畑 謙介 (著)
単行本: 326 p ; サイズ(cm): 19 x 13

出版社: ベストセラーズ ; ISBN: 4584188173 ; (2004/09)

出版社/著者からの内容紹介
軍事力は外交の重要な要素であり、手段である。 「装備は一流、実態は非実戦的、抑止力は高い」といわれる自衛隊が、50年の節目を迎えた今、国際テロ組織の活動や、大量破壊兵器弾道ミサイルの拡散などの新たな脅威にも対応し得る防衛力の在り方が模索されています。本書は、イラク北朝鮮を反面教師として、日本が保有する軍事力を精緻に検証し、21世紀日本の安全保障のあり方を問うタイムリーな書。写真・図版・図表200点を収録し、文字とビジュアルの両面から豊富な情報を提供しています。本年末の「防衛計画の大綱」改定(新防衛大綱)に向けて、防衛庁に設置された「防衛力のあり方検討会議」は、主要装備の削減、ミサイル防衛導入など防衛力整備の中間案をまとめました。泥沼化するイラク北朝鮮の核とミサイル、進展が見られない6カ国協議、米軍再編構想(削減と機能強化)……ますます防衛論議が盛り上がるいま、軍事評論家第一人者による話題の書の登場です。

兵器マニアでもなんでもないけれど,昨今のアジア情勢を見るにつけ,日本にどんな現実的なオプションがあるんだろうと不安になってしまう.尖閣諸島を中国が実行支配しようとしたら?北朝鮮から大量の難民が来たら?日韓,日中で領土問題を抱えながら日本外交が今ひとつ無力に見えて仕方ない.さて軍事力は?

著者の主張は,「日本の装備は一流だが実態は非実戦的」というもの.本著を読めばなるほどと思わざるを得ない.そもそも現代戦で実戦的な軍備というものはハイテクを情報のネットワークで結びつけた,すなわちIT化されたものである.それ故に,数は問題ではない.イラクの正規軍や北朝鮮の正規軍が問題外なのも,その現代化を行っていないが故である.中国を含めて他の国はこの現代化が進行中なようだが,日本の状況は今ひとつといったところか.所詮,現実に戦争に直面していない国の軍隊というのはそうなってしまいがちなのだろうが,もう少し何とかならないものか.常に米軍と協調して動いているんだから,もう少し学べよ.
北朝鮮の核や中国の軍事脅威への抑止力として,著者が上げているオプションは,「巡航ミサイルの装備」.弾道ミサイルやら核装備は今の日本の国民が賛成するとは思えないし,これなら現実的か.










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