クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないの

snmocha2006-06-16

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
エリヤフ ゴールドラット (著), 三本木 亮 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 384 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: ダイヤモンド社 ; ISBN: 4478420459 ; (2003/10/31)

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ベストセラー『ザ・ゴール』に続くゴールドラット博士によるシリーズ待望の4作目。テーマはTOCによるプロジェクトマネジメントである。
本書でも一連の作品と同様に、既存の手法が通じない経営問題に直面する主人公がTOCに出あい劇的な成果をあげるという、「コストワールド」から「スループットワールド」への転換を興味深く描き出している。その「世界」を体験させてくれる大きな役割を果たすのが、定番の小説スタイルといえよう。
ストーリーは、大学のエグゼクティブMBAのクラスを舞台に繰り広げられる。主人公の教授と、各業界から現行のプロジェクトの納期短縮といった使命を帯びて集まったプロジェクト・リーダーらが、議論を戦わせながら現実的なソリューションを求めていく。
プロジェクトの問題点はここで総ざらいされる。納期直前まで作業を始めない「学生症候群」、結局は無駄になる「セーフティー(時間的余裕)」、あるいはクリティカルパス以外の作業の開始時期、プロジェクトの評価基準などだ。TOCはそれらを見事に解決するが、同時に、クリティカルパスの変化やマルチタスク(掛け持ち作業)による人的リソース不足といった実行段階の問題を解く新たな視点も要請する。それが「クリティカルチェーン」である。
謎解きのような展開にはやや焦らされるが、具体的な事例をもとにプロジェクトマネジメントの基本を順に追うことができるのはよいトレーニングになる。エッセンスがつまった部分としては、取引先との納期の交渉シーンなどが見ものである。読者を限定しない1冊で、これでTOCはさらに浸透するだろう。(棚上 勉)

日経BP企画
クリティカルチェーン
TOC(制約条件の理論)を平易に解説した『ザ・ゴール』のエリヤフ・ゴールドラット氏によるビジネス小説の邦訳第4弾。著者はプロジェクトマネジメントを題材に選び、TOCの適用を試みる。

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わかりやすいようでわかりにくい.このまま応用できるかというともう少し別な書き方のテキストを読まないと無理かな.でも確かに行程毎に余裕を持たせる管理方法では期限が守れないケースが多いというのは感覚的にはわかります.


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