なぜ日本にキリスト教は広まらないのか

古屋安雄
なぜ日本にキリスト教は広まらないのか
教文館

高野先生から勧められた、元国際キリスト教大学教授の著作。

2009年は宣教150年ということになるが、日本のキリスト者人口は1パーセントに満たない。この原因は何か。

歴史的背景がある。日本で初期にキリスト教に入信したのは地方豪農や下級武士層という儒教的な知識階級であった。これを幸いなる偶然の一致と評価するものもいるが、これが原因のひとつである。

知識階級のキリスト教であったため、知的世界のを追求する神学問題に関心を持ち、アジアで意義のある神学が生み出されたのは日本だけとまでいわれる。

一方で、日本の教会は知的で神学的説教が歓迎されるようになった。教会員は静かに講義を聴くだけになり、知的好奇心に溢れた青年も集まった。
まるで学校のように。ここから、卒業信者や中退信者が生まれることになった。思想としてしか受け入れらなかったためである。

しかし、若者、学生の知的レベルは年々低下した。観念的人生問題より現実的問題が切実になった若者が、教会に関心をもつことはなくなった。

希望はあるのだろうか。教会がさらに大衆化する必要がある。イエス神の国と十字架の福音を喜びをもって伝道する福音派の活動であれば若者がくる教会であり続けることができるのではないか。


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輸入された思想をありがたく受け入れるという日本人の態度は古くは仏教にまでさかのぼれる。キリスト教も仏教もマルクスも全部同じだったということか、それでは当然流行り廃りにながされるし、仏教や神社のように社会システムに組み込まれない限り永続できない。思想ではなく喜びになるにはどんな活動が必要なのか。福音派的スタイルが本当に有効な解決策になりうるのだろうか。











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